2回目の製図試験での失敗 ここまでミスしても合格しました

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2回目の製図試験でも、思うようにいかなかった部分が多く、ミスの連続。

試験終了時はすっかり落ち込んで、また、来年製図試験かぁと憂鬱になりました。

しかし、結果は意外にも「合格」

ここまでミスしても合格することがある。

という実例を挙げるため、今回は思い出せる限り失敗を書き出してみたいと思います。

案の定サプライズ

平成29年の設計課題は「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅」でした。

去年の失敗を繰り返さないように心を落ち着かせ、いざ、試験開始です。

ところが、やっぱりサプライズです。

問題をひと通り読んで、自分なりにサプライズと感じたのは

1)階段の蹴上げの寸法を180㎜以下とする事

2)部分詳細図が胴差部分を含む事

3)2階にミニキッチンを設ける事

の3点でした。

●階段の蹴上げについて

階高を3000㎜として、一段あたりの寸法180㎜で割ると最低17段の階段になります。

踏み面は225㎜以上確保と指定されているので解答用紙の455㎜のグリッドの半分になります。

踊り場を考慮すると900㎜角が2×3=6マス以上必要になります。

練習の時にはこのようなサイズの階段を描いていなかったため、試行錯誤しましたが、結局は余裕を見て、横に3マス、縦に2.5マスの階段にしました。

悩んだ時間のロスが出たのと、ほんの少しですが、いつもの練習と違う配置にした為、全体の平面計画すべてに影響が出ました。

●部分詳細図について

部分詳細図はなんとなく土間を含む部分は外してくるかもと思っていたので、2階部分と屋根の部分を軽く練習してはいました。

しかし、実際に出題されると本番では四苦八苦です。

床伏せで胴差サイズを大きくしたので、整合性を持たせると1階の天井裏の寸法が500㎜では不足してしまい、急遽600㎜に修正しました。

当然、立面図、断面図も修正です。これもロスになりました。

●2階のミニキッチン

ミニキッチンは2階の平面計画を進めながら、隙間に無理やり納めました。

1200㎜以上の指定があったので、455×3で1365㎜にしました。

こうして練習していないことが少しでも出題されると、その都度悩んでしまい、その積み重ねが「時間が足りない」という最も恐ろしい状況へ結びついてしまうのです。

こうして説明していると、出題されたことを淡々と表現すればいいだけじゃないかと思いますが、実際の試験の場ではうまくいかないのです。

サプライズを乗り越えながら、エスキース

エスキースを振り返ります。

西側道路の為、当然西側からアクセスできる配置にします。

家庭菜園があるので南側に畑を配置します。2000mm×3000mm以上の指示を守るようにします。
車椅子使用者用駐車スペース、スロープは北側に配置しました。
玄関も北側です。

大まかな配置は出来たんですが、2階の夫婦寝室の19㎡以上でなぜか苦労した憶えがあります。

理由はともかく、一歩つまづくと、じわじわとプレッシャーがかかります。

1階と2階の間仕切位置が少しずれた部分もあり、床伏せ図を描く時にロスになりました。

今考えると、悩んでしまう原因は、プランをなるべく単純にする練習が足りなかったせいが大きいと思います。

描き馴染んでいるシンプルなパターンが少なかったように感じています。

エスキースは1時間程度と決めていたので、多少見切発車的な部分もありましたが、時間通りに製図に取り掛かりました。

実は試験前日に本番に近い状態で、通しで一枚描いた際、全て書き終わると少し時間に余裕がありました。

そして、「ちょっとづつ実力がついたのかもな。」といい気になっていました。

時間通りに製図に着手すれば、何とかなるはずだと思ったのです。

落ち着いて取り組もうと言い聞かせながら、1階平面図が整ってきたら2階、次は床伏せと、完成する前に全ての図面に着手することにしました。描ききれないことだけは回避しようとしたのです。

↑こんな順番で描いたのは初めてでした。試験のプレッシャーがおかしな判断をさせたのでしょうか。

手が疲れ切る前に文字も書いてしまおうと思い、面積表・仕上表・計画の要点等も早めに描き上げました。

しかし、余裕を持ちすぎたのか、気が付くとまたもや時間が足りなくなってきていました。

「やばい。」

と思い出すと、どんどん気持ちも図面も乱れます。

周りの受験生が何となく視界に入りますが、ある程度時間が進むと、すでに描き終わって、落としなどがないかチェックしている人も出始めます。

それなのに自分は何をやっているんだと、ますます負の感情が心に芽生えだしてしまいました。

こうして思い出すだけでも恐ろしい状況です。

通しで最初から最後まで書く練習が足りなかったので、余裕の持ち方を勘違いし、結果、時間が不足してしまったのです。

具体的なミス

時間が足りなくなったせもあり、細かい部分でいろいろとミスしてしまいました。

試験時間の最後の方は軽いパニック状態で図面を描いていたので、何をやっていたのか憶えていない部分もありますが、思い出せる限り、細かいミスをあげていきたいと思います。

ああ、恥ずかしい。

1)耐力壁の△マークが全て雑なフリーハンド。しかも、試験終了間際にやっつけで記入。

2)全体的に植栽が少なく、雑なフリーハンド。

3)屋外スロープの長さ・幅員の数値の未記入。(勾配は記入したように思います)

4)2階子供室のベットと机が、気持ちの焦りから線が震えてしまった。あとで書き直そうと思っていたが、結局そのまま提出。

5)部分詳細図の壁中の断熱材が未記入。

6)なんと寸法線の交点の丸い点を描く時間が無くなったため、全て短い斜め線をやっつけで記入。

7)最後の最後まで図面を描いていた為、全体を見直す時間が無かった。

もっとあるかもしれませんが、思いつくのは以上です。

結局、未完成図面がある等、致命的な大きなミスが無かったから、運良く合格したのかもしれません。

細かい部分は自分の思い描いていた図面とはほど遠い出来だったように思います。

結果としては合格したのですが、具体的にこうやってやったから必ず合格するというものはなかなか思いつきません。
やはり、地道に図面を繰り返し描いて、その中で、つまづいた事を一つ一つ解決していくしかないかもしれません。

以前にも書きましたが、その地道な努力が採点する方には伝わるような気がします。

↓こちらの記事です。

製図試験対策の参考書・問題集を読むと様々な情報が頭に入ります。しかし、製図試験は描いてこそ合格です。 とにかく手を動かして一本でも多く...

とにかく、このような失敗を犯さないように、やってはいけない例として、お役に立てれば幸いです。

↓なぜ失敗談をご紹介するのかはこちらの記事をご覧になってください。

二級建築士の試験対策をいろいろとご紹介してきましたが、そのほとんどが失敗談です。 なぜ自分の失敗をご紹介するかというと 「こんな...
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