二級建築士 設計製図の試験 木造とRC造の違いについて考えてみる

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平成30年度の設計製図の試験の課題は

「地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅」

[鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て]

自分の場合は不合格だった年も、翌年合格した時も、2年連続木造の課題に取り組んだので、RC造に関しては未経験です。

RC造は3年に1回のペースで出題されていますが、自分の場合、運がいいのか悪いのか2回とも木造だったのです。

実際にRC造の課題の試験を受けた事はありませんが、今回は、今の自分だったらどのようにRC造の課題に取り組んでいくか、考えてみたいと思います。

木造とRC造の課題 違いは何か考えてみる

建築的に考えると、材料が木とコンクリートなので根本から大きな違いがあります。

自分のイメージだと木造は住宅や小規模の建物、RC造は事務所ビル、商業施設、など大規模の建物という感じです。

また、RC造は木造より丈夫で長持ちしそうなイメージがあります。

では、設計製図の試験の課題という観点からみてみるとどうでしょうか?

①エスキースの違い

敷地に対しての配置についての考え方は木造もRC造も同じだと思います。

境界線との距離を確保して、建物を配置する。

敷地に対する道路の位置をしっかり確認して、道路から建物へアプローチするつくりにする。

採光が必要な部屋や庭などは南面に配置した方が良い、など基本的な考え方は木造と同じだと思います。

建物のつくりは、ラーメン構造と指定されていますので、柱のスパンが5~7mの箱を組み合わせていくようなイメージになると思います。

箱のフレームになる「梁」に階段やエレベーターがかからないように注意するなど、ブロックごとに区切って考えるようにした方が良いかもしれません。

エスキースの大まかな流れは、木造の考え方とそれほど違いは無いように思います。

自分が使用した参考書にも、RC造の課題に取り組む場合でも、木造の項目に書かれている内容をしっかり押さえておく必要があると書いてあります。

ということは、RC造だから、木造の為に学んだ事が生かせない、という事にはならないわけです。

昨年に引き続いて製図の試験を受験される方は、木造からRC造に変更にはなりますが、逆に今まで学んだ事を生かせる、アドヴァンテージがある、と前向きに考えられた方が良いと思います。

②作図の違い

木造の図面に慣れている目で見ると、まず気になるのは大きな柱の存在です。

柱を拠点にして間仕切が伸びているように見えます。

以前ご紹介した倍速グリッド作図法を確認すると、作図法に関しては木造とRC造では大きく違うと明記してあります。

柱と壁を描いて、その後、消しゴムで開口部を消してから、サッシやドアを描く流れになります。

消しゴム(ペンタイプ消しゴムで細かく消せるもの)を有効に使うのが、木造との大きな違いです。

木造の時と同じように基本の四角形(1スパン)を繰り返し練習して、作図の流れを体にしみこませる事が重要だと思います。

次に何をするか、いちいち考えながら描いていてはとても試験時間内では全て描ききれないと思います。

作図の作業量に関しては、木造よりRC造の方が少ないとよく目にしますので、複数回受験される方は昨年と構造が変わったからと言ってネガティブに考えない方が良いと思います。

むしろ、チャンスと思います。

↓問題集・参考書の記事はこちらです。

初めての製図試験の勉強、一体どこから手を付けていいかわかりませんでした。 道具を揃えるのと同時にとりあえず問題集を購入しました。 ...

取り組み方を考えてみます

まずは木造と同じく、問題集を購入して解答を一枚全てトレースします。

出来れば一枚通して、時間を計測しながら作図するのがベストです。

描きづらかった部分や、配置・構造が理解しづらかった部分を参考書などで確認。

そして、再度トレース。

何度か繰り返していくうちに、何となく建物や部屋の配置のパターンが見えてくると思います。

パターンは出版社によって微妙に違いがあります。

何社か問題集を購入してみて、自分にしっくりくるものを、得意のパターンとしてしまった方が良いと思います。

とにかく、シンプルで自分が描きやすいと思ったものが一番だと思います。

デザインやスタイルは無視でいいです。要求されていることを簡潔に表現されていると感じるものがいいです。

自分の感覚を信じて、描きやすそうだ、描ける!と思うものを参考にした方が良いです。

ちなみに自分の場合は木造でしたが、やはり総合資格学院さんと日建さんの解答は水廻りや階段、廊下などの配置が簡潔でわかりやすいなぁと思いました。

とは言いながらも、本番では悩み事なく終われないので、基本のパターンとして自分の中に持っておく、といった感覚にしてください。

試験の時は、練習プラス、自分を信じて、「出来る」「やりきる」という強い気持ちが重要です。

何枚も解答のトレースをこなしたら、問題文だけを読んで、自分なりにエスキースから作図まで、オリジナルでやってみることをおすすめします。

完成したら、問題集の解答と比べてみます。

すると、なるほどぉ。と感心する事が多いのと同時に、新たな不明点が出てくるので、再度参考書などで調べ直します。

描いては調べの繰り返しです。

そうやってあちこち見てるうちに何が正解かよくわからなくなって、たどり着いたのが実は過去問でした。

独学で取り組んだ製図試験の対策には、当然、市販の問題集・参考書をメインに使用しました。 それぞれよくつくられていて、非常に助かりました...

と、ここまでやったうえで、試験の前に、出来れば試験と同じ時間割で、はじめからひと通りやってみます。

自分は2回目の製図試験の前に、ひと通りやってみたら時間が余ったので、これは合格かもと調子に乗りましたが、実際の試験では全く時間が足りず、ひどい目にあいました。

やはり練習と本番ではかなり違いがありますので、油断せずに取り組んでいただきたいです。

↓油断してるとこんなミスを犯します。

今回は、製図試験はこうすれば合格する。のではなく、「人の振り見て我が振り直せ」方式で、自分が受験した過去の製図試験についての具体的な反省点、...

まとめ

RC造と木造の課題の大きな違いは、RC造はラーメン構造なので梁の位置などに注意してエスキースを行う事と、平面図の作図法の違いの2点のように思います。

その他はわずかな違いはあっても、問題集や参考書に沿って対策をする上では大きな障害はないように思います。

逆にRC造の課題の場合、作図量が少ないとすると、合格には近づくのではないかと思います。

独学で設計製図の試験に取り組んでいる方の中で、参考問題を用意して、エスキースから始まり、自分なりに最後まで描き切れるところまでたどり着けていれば、かなり合格に近いと思います。

そこにたどり着くまでに、ひと通りの悩みは経験していると思いますので、要求されているものはきちんと表現できているはずです。

答え合わせをしてみて明らかにおかしいと思う部分が無ければ、恐らく重大なミスは犯してないはずです。

ホントに大丈夫だろうか?と不安になりますが、自分を信じて良いと思います。

仕事をされながら試験に取り組んでいる方も多いと思います。

時間のない中、大変だと思いますが、一本でも多く線を引けば必ず合格に近づいていきますので、ぜひ頑張ってください。

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